コーヒーに魅せられた焙煎人(ロースター)に聞く「おいしいコーヒーのお話」
コーヒーにはロースターという職業があるのをご存知ですか?
コーヒーを淹れるプロがバリスタならば、ロ―スターは、豆を目利きし焙煎して、コーヒー独特の香りと風味を生み出すコーヒー豆のプロ。
つくば市にあるコーヒーファクトリー代表の古橋伯章(ふるはし のりあき)さんもその一人です。
今回は古橋さんにコーヒーの選び方や、もっと美味しいコーヒーの楽しみ方を教えていただきました。
コーヒーとの出会いを教えてください
高校生の時に、友達が持っていたサイフォン式のコーヒーメーカーを見たのが私とコーヒーとの出会いです。
それまで缶コーヒーやインスタントコーヒーは飲んだことがありましたが、サイフォン式コーヒーの作り方と深い味わいは衝撃でしたね。
そこからコーヒーにはまっていき、コーヒーの味を追求していくように。
そして、コーヒー豆の産地や生産方法、コーヒー豆になるまでを見たくなり世界各地の産地を見て歩きました。
その中で焙煎という工程が重要だということにたどり着いて、今に至っています。
豆の味はどのように決まるのですか?
コーヒー豆の焙煎には浅煎り、深煎り、またその中間があって、煎り方によってコーヒーの味が決まります。
浅煎りだと香りと酸味があり、深煎りになるにつれてコクと苦味が増していきます。
その中間の煎り方であれば、苦みと酸味のバランスの取れた味といった感じですね。
ブレンドとストレートの違いとは?
ブレンドは数種類の豆をバランスよく混ぜて飲みやすく仕上げられているものが多いです。
そのほか、農園名や生産者名で呼ぶものをシングルオリジン、ブレンドされていないものをストレートと呼びます。
産地ごとに味も違うものですか?
コーヒー豆の産地は大きく分けて、東アフリカ、中南米、アジアなどで生産されています。
産地ごとに味も違いますし、例えば同じ中南米でも標高差や品種、生産処理の仕方で味が違ってきます。
好きな味の見つけ方を教えてください
はじめはブレンドから試してもらうのがおすすめです。
コーヒーファクトリーでは浅煎りから深煎りまで焙煎度合いごとのブレンドをご用意しているので、「煎り方」の好みから探ってみると楽しいですよ。
それと、コーヒーはできれば豆で買って頂きたいです。
豆は、挽く時に強い香りが出るので、ぜひそれを楽しんでほしい。
粉は、日ごとに香りが弱くなってしまいます。
コーヒーの香りを味わうには、豆で買って、淹れる時に豆を挽いて頂くのが一番。
開封した後は、密閉容器等に入れてできるだけ酸素に触れないように保存してください。
コーヒー×スイーツの相性でおすすめはありますか?
チョコレートや乳製品とよく合うので、やはり洋菓子との相性は良いですね。
焙煎の深さによってスイーツを変えてみるのもいいですし、あっさりしたスイーツに濃いコーヒーなど、対比を楽しむ飲み方もありますよ。
焙煎別のオススメスイーツ
焙煎度 | 特徴 | オススメのスイーツ |
浅煎り | 酸味とフルーティーな香り | フルーツを使ったケーキ |
深煎り | 深いコクと苦味、香ばしい香り | チョコレート菓子やチーズ系スイーツ |
おうちコーヒーのおいしい淹れ方
材料:カップ2杯分
- 豆(または粉)…メジャースプーン2.5杯
- お湯…300~400cc/85~90℃
道具
- 細口ケトル
- 円錐型ドリッパー
- ペーパーフィルター
- コーヒーサーバー
- メジャースプーン
- 手挽き用ミル(豆を挽く場合)
美味しい淹れ方
- 分量以外のお湯をドリッパーからサーバーに注ぎ道具を温める。
この時にカップにもお湯を入れて温めておくと良い。 - 1.のお湯を捨てる。
- ドリッパーにペーパーフィルターを置き、分量の粉を入れて軽く平らに整える。
- 分量のお湯を注ぎ終えるまでに2~3分を目安にゆっくりドリップする。
この時に粉の中央部分500円玉サイズの円を描きながら注ぐと良い。- POINT お湯の温度:浅煎り…90℃前後の熱め / 深煎り…85℃のぬるめ
- ドリップし終えたら、カップに注ぐ。
オーナープロフィール
コーヒーファクトリー代表
古橋伯章(ふるはし のりあき)さん
コーヒー豆の焙煎を専門とする焙煎人。
1985年にコーヒー豆の自家焙煎を始め、世界各地のコーヒー豆の産地を渡り歩いた経験から1988年につくば市にコーヒーファクトリーをオープン。
コーヒー豆の世界コンテスト「カップオブエクセレンス」の審査員を務める経歴を持つ。
店舗情報
コーヒーファクトリーつくば本店
- 住所/つくば市千現2-13‒1
- 営業時間/9時~18時(17時半ラストオーダー)
- 定休日/木曜日
- ホームページ/http://coffeefactory.jp/
Writerʼs VOICE
コーヒー好きの私としては、特に楽しみだった今回の取材。
普段はブラックコーヒーが多いですが、この日はハートのラテアートが素敵なカフェラテをオーダー。
深煎りのブレンドのコクとミルクのバランス。
思わずついたため息までも美味しいコーヒーの香りとともに、夕方の洞峰公園をボーっと眺めたのでした。Writer/HK
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