初めての家づくり

　ほとんどの人にとって家づくりは、
初めて体験する一生に一度の大イベント。
何から手を付けてよいのか分からないという人も多いでしょう。
初めての家づくりで失敗しないためには、スタートが大事です。

住宅資金を把握する

　
　最初に検討するのは予算です。
住宅資金をいくらまでなら用意できるのか、
我が家の家計を考えたとき、いくらが適切かをきちんと把握しましょう。
　
　そのためには、将来どのようなライフイベントがあり、
どのくらいお金がかかるかを予測した、
ライフプランシミュレーションを作成すること。
その際に大事なのは、住宅に詳しい人に作ってもらうことです。
　
　家は建てたら終わりではありません。
ランニングコストもリフォーム代もかかってきます。
それらも含めて予算を考えましょう。
＊収入や財産、家族の人数、子どもにかける
お金などは家庭それぞれです。
知人が〇千万円の家を建てたから
自分も同じくらい出せるはず、などと考えるのは
適切ではありません。
　
　生活を圧迫しない、
無理のない予算を立てることが大事です。

イニシャルコストとランニングコスト

　家は建てた後もお金がかかります。
よく「メンテナンスフリー」という言葉を聞きますが
現実的にはありえません。
光熱費はもちろん、修繕費やメンテンナンス費用がかかり、
それらは年月が経つほどに高額になってきます。
　
　住宅資金が決まったら、
イニシャルコスト（建築費用）とランニングコストに分けて、
それぞれの予算を考えましょう。
一般的に、安い家ほど断熱性能が悪くて光熱費がかかったり、
住宅寿命が短く、メンテナンスに高額な費用が必要になるなど、
建てた後のお金がかかります。
「安ければいい」のか、あるいは
「 60 年後も安心して住める家にしたい」のかをよく考えて、
建築費用を決めましょう。

住宅会社を選ぶ

　予算が決まったら、予算内で見合う家を建てている会社を探しましょう。
住宅会社には小さな工務店から大手のハウスメーカーまでいろいろあり、
家の価格もそれぞれなので、価格帯で住宅会社を見つけていきます。
　さらにその中から選んでいくポイントは設計士です。
予算内で要望を最大限に取り入れ、土地の特徴も把握して、
希望するライフスタイルを形にしてくれるのが設計士です。
プロの設計士（建築家）が最良のプランを提案してくれる、
そんな会社なら理想の家がつくれることでしょう。

理想の家を建てるには

　多くの人は家族が楽しく幸せに暮らすために家を建てます。
そこで思い描く生活はどんな生活ですか？
どんな暮らしをしたいですか？
家族でたくさん話し合いましょう。
そして、自分たちが理想とする
ライフスタイルを設計士（建築家）に伝えましょう。
　
また生活は変化していきます。
10 年後、 20 年後、子どもが独立した後は
どんな暮らしをしたいのか、
将来をイメージしておくことも大事です。

長く安心して住むために

　家づくりで最も重視したいのは、家の性能です。
地震に強いことはもちろん、断熱性能が高く暖かい家であること、
シックハウスがなく健康に暮らせる家であることなどは、
価格にかかわらず大前提になければなりません。
最近の住宅では、太陽光発電システムや蓄電池などの
エネルギー機器の設置も一般的になってきていますが、
これらも高性能の家であってこそ。
家をつくるとき、デザインや間取り、
設備にばかり目がいきがちですが、
まずは家の性能を第一に考えましょう。
そして長く安心して住めるように、
60 年先くらいまでのアフターケアプログラムを
作成してもらえると安心です。

家族の幸せのために

　
　家族が楽しく幸せに暮らせるように―多くの人が、
そんな思いで始める家づくり。
何か判断に迷ったら、この原点を思い出しましょう。
予算をオーバーしそうになったときも、
家にお金をかけるのか、生活のためのお金を確保するのか、
どちらが幸せか考えることです。
いくら立派な家に住んでも、お金に余裕のない生活に
なってしまっては幸せとはいえません。
大事なのは、どんな家に住むかではなく、どんな生活をするかです。
ぜひ家族が幸せになれるような家づくりを目指しましょう。