注文住宅はハウスメーカーと工務店どっちがいいのか?|特徴&メリットで比較!
注文住宅をハウスメーカーで建てるメリット・デメリット
住まいは人生で一番大きな買い物です。はじめて家を建てようと考えたときに、ブランド力のあるハウスメーカーが一番に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。 まずはハウスメーカーで家を建てる場合のメリットとデメリットについてご紹介します。
ハウスメーカーを選ぶメリット
- 大手ならではの信頼度の高さ 注文住宅をハウスメーカーで建てる最大のメリットは、信頼度の高さにあります。 大手ハウスメーカーでは、自社で使う建築部材の研究開発や、量産体制の確立を行っているため、常に安定した品質の材料を使うことができます。 また、工事を請け負う下請けの業者に対して作業手順を細かくマニュアル化し、多くの工程に品質基準を定めるなど、一定の水準を提供する体制を整えています。 展示場やモデルハウスを常設しているハウスメーカーも多く、実際に完成形を見ることができることも、安心感につながります。
- アフターメンテナンスの安心感 定期的なアフターメンテナンスは、住まいを長持ちさせるためには欠かせません。 10年・20年はもとより、メーカーによっては60年以上の長期にわたるアフターメンテナンスサービスも登場しています。 住まいを作ったハウスメーカーの長期にわたる定期的なアフターメンテナンスがあれば、長持ちする住まいを実現できます。 また、倒産のリスクも少ないため長期にわたっていつでも相談できるという安心感があります。
- 間取りプランが豊富 ハウスメーカーでは、ある程度決まったパターンから選ぶセミオーダー方式が一般的です。 決まったパターンとはいえ、ハウスメーカーのセミオーダーは、間取りプランがかなり豊富です。 自社開発の建材や工法の性能を十分に確保するため、多少の制約が出てしまう場合や、メインのパターンからの変更オプションとして費用がかかる場合もありますが、組み合わせ次第ではかなりの自由度があります。 またハウスメーカーによっては、設計士やデザイナーが敷地形状や住まい方を調査して、最適なプランを提供してくれる場合もあります。
- 社員教育がしっかりしている ハウスメーカーではひとつの家を建てるのにたくさんの人材が関わります。 多くのメーカーが、どの担当がお客様と接しても同じ対応ができるよう、社員教育に力を入れています。 メーカーによっては家づくりに関わる資格取得を奨励している会社もあります。 その他にも研修や教育を体系的に取り入れ、接客対応や知識水準が一定になるよう努めています。
ハウスメーカーを選ぶデメリット
- 建築費が高い ハウスメーカーでは、工務店と比較すると建築費が高くなる傾向があります。 メーカー独自の建築部材や建築工法の研究開発費や材料の安定供給に関わる生産コスト、厳格な施工管理体制、アフターメンテナンスの体制など、見えない部分にかかる費用が住宅の費用に含まれるからです。 また、ブランドイメージを支えるテレビCMやWeb広告などの宣伝広告費や、たくさんの細分化された専門業務を支える従業員の人件費の割合も少なくありません。
- アフターメンテナンスも高額 ハウスメーカーの提供するアフターメンテナンスでは、メーカー独自の補修手順や決まった部材を使用する必要があるなどの制約が多く、メンテナンス費用は高額になりがちです。 屋根や外壁の塗り替え、キッチンやお風呂などの水回りの交換、シロアリから家を守る防蟻処理。 節目ごとにかかる大きなメンテナンスやリフォーム費用はあらかじめ確認しておきましょう。
- プラン以外の設計自由度が低い 完全自由設計のできる大手ハウスメーカーはごく少なく、あっても非常に高額です。 おおよその場合、基本プランが決まっており自由に動かすことができません。 ハウスメーカーは建材や設備など、建築に必要な資材を一括生産しコストを抑えているため、使える資材が限られています。 特に傾斜地や狭小地などの変形土地などでは、ハウスメーカーの制限のあるプランでは敷地を活かしきれない可能性があります。
- 社員の入れ替わりが多い ハウスメーカーの担当者が、建築途中で変わってしまうことがあります。 全国に支店があるような大手ハウスメーカーの場合、遠方への異動もあります。 また建設業界全体の離職率も高く、特に営業職はその傾向が顕著です。 しかし、大手ハウスメーカーでは担当者が入れ替わっても問題が起こらないよう、社員教育に力を入れ、お客様の情報を引き継ぐ体制が整えてあるのが一般的です。
- 対応に時間がかかる ハウスメーカーは、何かあったときの対応に時間がかかる場合があります。 組織が大きいため、業務が専門ごとに細分化されていて、社内での割り振りや、外注先の協力業者との調整に時間がかかる場合があるからです。 また、協力業者を通じて対応を依頼するケースでは、引き継ぐ際に依頼の細かな部分まで伝わりにくい場合があります。 最近は対応の遅さに対処するため、アフターメンテナンス専門の部署を立ち上げ、すぐに対応できるよう専門の社員が常駐しているハウスメーカーもあります。
- 下請け業者の技術にばらつきがある 全国規模のハウスメーカーの場合、現場での作業は地域の下請け業者に依頼するため、請け負う業者によって技術にばらつきがあります。 住宅は、お施主様の希望に合わせた一点物で、現地で作業する内容がかなり多くあります。 統一された規格やマニュアルがあっても現場で工事を行う業者のスキルが大きく異なる場合には、出来上がりの品質に多少ばらつきが出てしまうことがあります。
大手ハウスメーカー7社の特徴を一覧表で比較!
[table id=21 /]
注文住宅を地元の工務店で建てるメリット・デメリット
注文住宅を地元の工務店で建てる場合、ハウスメーカーに比べると広告費や人件費が抑えられるため、全体的に建築費用が割安な傾向があります。 また、工務店ではデザインや間取りのフルオーダー・完全オーダーメイドが可能なことが多いのが特徴です。 フルオーダーでは、変形地を活かした特殊な間取り設計など、ハウスメーカーでは制約があって難しい状況にもうまく対応してくれる場合があります。
地元の工務店で建てるメリット
- フルオーダー・完全オーダーメイドが可能 地元工務店で建てる最大のメリットは、デザインや間取り、設備がフルオーダー・完全オーダーメイドができる点です。 ハウスメーカーでは、自社規格や保証という観点からデザインや間取りのフルオーダーが難しいのが現状です。 もちろん、法規や構造といった守らなければいけない部分は自由にできませんが、地元工務店は、自社規格の縛りが緩く、デザインや間取りを比較的自由にオーダーできます。 特に傾斜がある変形土地などの特殊な条件下では、フルオーダーによって土地の活用が十分に行えるなどの大きなメリットがあります。
- 坪単価が割安なため家にお金をかけられる 似たような間取りや設備、材料であれば、地元工務店なら大手ハウスメーカーより安い建築費用で建てることができます。 ハウスメーカーに必要な宣伝広告費や営業経費の割合が低い分、工務店では坪単価が割安です。 そのためハウスメーカーと同じだけの予算をかけるなら、設備や材料をグレードアップしたり、外構にお金をかけたりといったことが可能です。
- メンテナンスやアフターの対応が迅速 住まいでは、何か不具合があったときにすぐ来てくれないと困りますよね。 その点、地元の工務店なら近くに店舗があるため、すぐ来てくれることがメリットです。 また小さな工務店では、新築時の施工担当者がその後のアフターメンテナンスも担当するのが一般的です。 そのため、メンテナンスが必要なときに、住まいの間取りや仕様、内部の構造などもよく分かっているため、余分な説明が要らず、きめ細やかな対応が可能です。 工務店によっては、簡単なことならその場で応急対応し、後日資材を調達して正式に補修するといった柔軟な対応もしてくれます。
- 「棟梁」が責任を持って施工してくれる 現場を指揮する人を、大工の世界では棟梁と呼びます。棟梁を置く地元工務店では、住まい作りのメインとなる大工さんが責任を持ってその役割を担います。 棟梁は住まい作りの隅々まで気を配り、工事が上手くいくように、後々不具合のないように、大工や各職人に指示を出しお客様と信頼関係を築きます。 棟梁がいるからこそ、長く使い続けていけるような住まいが出来上がります。 後々の不具合も、棟梁に相談すれば上手く手配し解決に導いてくれます。
地元の工務店で建てるデメリット
- 時期や内容によっては工期が長くかかる 多くの下請け業者を抱えるハウスメーカーと違い、自社ですべてをまかなう工務店の場合、大工さんの人数には限りがあるため、繁忙期などは施工期間が長くなる場合があります。 いくつかのパターンから選んで建てる設計と違い、細部までこだわりのあるフルオーダーの住宅では、特殊なタイルや外国製の水栓の取り寄せ、1点物の建具の制作、内外装の仕上げ工事など、こだわりの詰まった工程にひとつひとつ時間がかかるため、繁忙期以外でも施工期間が長くなる可能性があります。 じっくり腰を据えて家づくりをしたい人にとっては負担が少ないですが、早く建てたい人にはデメリットになります。
- 工務店の施工品質を自分で見極める必要がある 広告に多くの費用をかけるハウスメーカーでは、ハウスメーカーの特徴や独自の技術などの情報が入手しやすいですが、地元工務店は発信されている情報が限られているため、工務店の特徴や品質を自分で見極める必要があります。 地元工務店の信頼性や施工品質を調べるには、実際に建てた人の口コミがもっとも信頼できます。 地元工務店のホームページ、SNSでの評判、知人・友人からの口コミなど複数の媒体で調べる必要があります。 会社訪問や現場見学会に参加して、直接印象を確かめるのもよいでしょう。 現場のキレイさや職人の対応具合を見れば、信頼性や施工品質をある程度は推し量ることができます。
- 独自の保証内容があるかは工務店によって違う アフターメンテナンスや保証体制は、工務店によって異なります。 瑕疵担保保険に関する部分はどの工務店も共通していますが、それ以外の独自保証の部分を大手ハウスメーカーと比べると、物足りなくなるかもしれません。 独自保証の部分を少なくすることで経費を削減し、工事費用を安くできます。 初期費用を抑え、メンテナンスの際は建てた工務店に頼むか、自分で良いリフォーム会社を探すという選択肢が残ります。 手間がかかりますが、全体的に費用を安く抑えることができます。
高い坪単価を払ってもハウスメーカーがいいのか?
「ハウスメーカーと工務店のどちらが良いか」「高い坪単価を支払ってもハウスメーカーがいいのか」という問題を解消するためには、ご自身にとって「いい家」とは、どういうものかをよく考える必要があります。 「デザインがいいのか?」「断熱性や遮音性などの性能が良いのか?」「地震や火事、水害などに強いのか?」「アフターメンテナンスがしっかりしているのか?」「材料や施工の信頼性があるのか?」といった、自分にとっての「いい家」のポイントを知っておく必要があります。
「大手ハウスメーカーだからいい家が建つ」と妄信的に信頼するのは危険です。 ハウスメーカーにも得手不得手があり、それはあなたがいい家と思うポイントから外れているかもしれません。 大手ハウスメーカーのブランド力や信頼性はありますが、それだけでいい家が建つことはありません。 地元工務店の提案するデザインや間取り、工法や施工の信頼性が、ピッタリとマッチするかもしれません。
保証にも一長一短があり、「これが良い」ということは一概にはいえません。 手厚さに物足りなさはあるものの、メンテナンス費用を安く抑えられる工務店に対して、大手ハウスメーカーはオールインワン型の保証で、手間はかかりませんが保証を受けるには定期的に割高なメンテナンスを依頼する必要があります。
どんなに優れた工務店やハウスメーカーでも、悪い部分がひとつもないというのはあり得ません。相性もあります。 最後に判断するのは自分自身です。ハウスメーカーと工務店、どちらにも相談し、比較検討したうえで選ぶことが大切です。
良い工務店を見分ける方法はある? 「安心」を見極める4つのポイント
施工現場を見せてもらう
建築中の施工現場を見せてもらうことは、信頼性のある工務店を見極めるための大切なポイントです。 なぜなら、家は人が作ります。施工現場は家づくりの最前線であり、もっとも重要な部分です。 家を作る人が丁寧で、工務店の教育・指導が行き届いていれば、家づくりの現場に反映され正確・丁寧な住まいが完成します。
現場に行ったときに見るべきポイントがあります。
- 現場に入ったとき職人がキチンと挨拶をしてくれるか
- 資材やゴミが建物や屋外に散乱せず、整理整頓が行き届いているか
- タバコやトイレは決められた場所に設置され清潔になっているか
この3つのポイントが信頼性を見極めるポイントです。反対に、この3つが不十分ならばその工務店は信頼に値しないでしょう。
OB宅の見学が可能かを聞いてみる
OB宅の見学が可能かどうかは、工務店とOB客の信頼関係が良好な証拠でもあります。 新築を建ててから2~3年経つと、生活感もかなり出てきて、人によっては家族以外の人に家の中を見られるのが恥ずかしいという人もいるでしょう。 その中でもOB宅の見学ができるほどお互いの信頼関係が築けていることは、営業担当者のみならず、会社自体も信頼してもらえるということ。 教育やマナーが行き届いた工務店ということになります。
施工品質と保証内容はホームページと口コミで確認
ホームページと口コミで確認したいのは、施工品質と保証内容に関する意見と感想です。 まずは、その工務店のホームページに掲載されている工事写真や保証内容をよく読んでみましょう。 工事のすべてが書かれているわけではありませんが、おおまかな内容は掲載されています。 その次に、SNSや口コミサイトなどでその工務店の評価を検索してみましょう。 工事の出来映えや工事中の内容になど、施工品質に関する口コミ。保証内容やアフターサービスに関する口コミが見つかるはずです。 ホームページ上に記載されている内容と口コミの差異を比べ、どの程度ホームページの内容が信用できるか確認しておきましょう。 内容があまりにもかけ離れている場合は信用できませんが、近い評価を受けている場合は信用できます。
保証内容については事前に確認
万が一、建てた住宅のどこかに欠陥があった場合に、補償してもらえる保証制度ですが、工務店によって保証の内容や範囲はさまざまです。 住宅瑕疵担保責任保険は国から加入が義務付けられているため、新築住宅すべてについてきます。 しかし、それ以外の保証については工務店ごとに違ってきます。手厚い保証をしている工務店もあれば、瑕疵担保責任補償の範囲内でのみ保証する工務店もあります。 工務店で家を建てる場合、独自の保証があるかどうかや、その場合の保険料はいくらなのかなど、保証の範囲と内容に関しては事前に必ず確認しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はハウスメーカーと工務店、その特徴とメリット・デメリットを比較してご紹介しました。
ハウスメーカーの特徴である信頼性。住まいの研究や開発を独自に行い、ノウハウを蓄積し、それを住まい作りに活かせる体制とブランド力はとても魅力的です。
工務店の特徴である自由度。フルオーダーの設計やデザインは家族の思いや土地の特徴を十分に引き出した家づくりが可能です。 地元で長く続いている工務店であれば、その土地ならではの事情にも通じているのが心強いでしょう。
大切なのは、自分の家づくりのニーズに沿ったメリットとデメリットを把握することです。 ホームページや展示場でその会社ならではの特徴を調べましょう。建てた後の保証について確認することも大切です。 また、SNSや口コミサイトを見たり、見学会に足を運んだりして、実際にスタッフの印象を見たり、家を建てた人の感想を聞くことも参考になります。
後悔のない家づくりをするためにも、十分に検討して、理想の家づくりをしましょう。
関連タグ
投稿者関連記事
コメント