パーソナルカラーコーディネーター 椎名 敬子さん

パーソナルカラーコーディネーター 椎名 敬子さん

  • 2009年11月5日 
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自然体になれる色を見つけよう

子供が4人、夫と6人暮らしの家庭で専業主婦だった私。
ふとしたきっかけでカラーコーディネーターの仕事を知り、勉強を始める。
「人が喜んでくれる仕事をしたい」
そんな思いからこの仕事を始め、10年たった今もその思いは変わらない。
パーソナルカラーを伝えることで、たくさんの人が変わっていくのが嬉しい。

「22才で結婚し、4人の子供達を育てながら、10年以上専業主婦をしていました。子供達が大きくなり、まわりの友達も仕事をしている。私も働くのなら…と思った時に、最初に思いついたことが『人が喜んでくれる仕事がしたい』という事だったんです」そう語る椎名敬子さん。現在はパーソナルカラーの講師やコンサルタントとして各地で活躍している椎名さんだが、主婦からこの道を選んだ最初の一歩は、勇気のいる一歩だったそうである。

 

【主婦からプロへの第一歩】

椎名さんがカラリストの仕事を知ったのは、地元龍ヶ崎の工務店でカラリストの先生を招いて、パーソナルカラーコーディネートのセミナーがあったことからである。「実は、そのセミナーには子供の用事で行けなくて。でも自分に似合う色を教えてくれるなら知りたいなと単純な気持ちからカラーの世界に関心を持つようになったんです」。
その後、知り合いから教えてもらったのが、原宿にあるカラーの専門学校「カラースペースワム」である。
それが今から10年くらい前、専業主婦だった椎名さんには原宿まで通うことも不安のひとつだった。「もう、どっぷり主婦ですから(笑)。子供達が帰ってきたら、お母さんがいるのが当たり前。出かけても、近所ばかりだったし、長く家を空けることもなかった。もちろん授業料だって決して安くはないし」家事をやりながら、学校に通うことが出来るのだろうか?本当にこの道を選んでいいのだろうか?
そんな不安を吹き飛ばしてくれたのは、当時中学生だった長女のひと言だった。どうしよう?と悩む椎名さんに長女が「自分の人生だから、好きなことをやったらいいよ」と背中を押してくれたそうである。その言葉で、専門学校入学を決意。主婦からプロへの第一歩を歩み始める。

 

【専門学校での生活】

授業は、昼コースを選択。学校のある日は夕食の用意をしてから家を出る。授業ではパソコンも当たり前だが、椎名さんには難しい。「主婦が家を出るって、こんなに大変なんだなって思いました。パソコンは家事では使わない物だったし、都会に通うだけでも勇気がいりましたね(笑)」。専門学校1年目は「色彩学」の講義である。検定試験のための勉強なので、電波や紫外線など、色の基本、つまり色とはなんぞやを学ぶ。
「自分に似合う色が知りたくて学校に行ったのに、そんなこと全然教えてくれなくて、帰りの常磐線の中では、ぐったりなんてことも(笑)」
パーソナルカラーはアメリカの色彩学者ロバート・ドアーによって確立され、日本には約30年前に入ってきた手法である。ケネディ大統領がカラリストをつけて選挙を戦っていたのをご存じだろうか。アメリカではカラリストは職業として成立していたが「日本ではまだ、カラーの仕事だけで食べていくのは難しくて、専門学校を出ても10人に1人から2人しか職業にはならないんです」。椎名さんは認定講師の試験を受け、卒業後は専門学校や大学でカラーの講義の講師として生徒の前に立つ。「認定講師の試験の時は、試験官の前で15分の講義をして見せるんですが、緊張してひざが震えました」と椎名さん。

 

【パーソナルカラーを伝えたい】

講師の仕事は、検定試験合格に向けての講義のため「自分に似合う色ってなんだろう?という話にはならなくて、私が最初に思っていた、似合う色を見つけることで、人が喜んでくれるという仕事とはちょっと違っていました」。講師ではなく、パーソナルカラーの仕事をしたい。パーソナルカラーは、一人一人の肌や髪、目の色を見て「春・夏・秋・冬」と4つの分類に分けていく方法。「好きな色と似合う色は違っていて、自分の持っている肌の色に調和するのが、本当に似合う色なんです」。それを120色のカラーシートなどを使い、判断していくのがパーソナルカラー診断である。椎名さん自身は「夏」。取材の日には、夏の色であるラベンダーのシャツに紺のコーデュロイパンツを着こなしていた。
肌の黄色みが多い人はどちらかと言うと「春・秋」、黄色みが少ない人が「夏・冬」と言われているが、簡単には判断がつかないので、知識と経験が必要になる仕事である。「診断して、その人に似合う色を見つけたら、それをどう日常に活かすか提案して、納得してもらうのが仕事。濃いピンクが好きだった人が、実際にはオレンジが似合ったら、なかなか変えられないんですよね。納得しないと人って変わらないでしょ。そこを変えていくのが腕の見せどころ(笑)」。

 

【プロってなんだろう】

カラリストの仕事をしながら思うことが「毎日、自分の(仕事の)ことを、ずっと考えているのがプロなんだなと思うんです」。仕事を始めたばかりの頃は、仕事4割、家事6割だったが、今では仕事9割、家事1割と語る椎名さん。夫や子供達の協力も支えになっている。
これから働こうと思っている主婦の方には「私自身、もっと早くアンテナを張れば良かったと思いました。子育てが終わったら、何が出来るんだろう?私は何が好きなんだろう?って、アンテナを張って、自分の方向を見つけていけばいいと思います。子育ては振り回されて大変だけど、時間は作ればあるんです。本を読んだり、インターネットを見たりして好きなことを見つける。それを仕事にすると充実感が得られるのでは」。
パーソナルカラーを知ることで、性格まで見えてくる。自己分析が出来るので、自分のチャームポイントも分かり、内面も変われる。「前はいい嫁でありいい母であろうとしていた。人から良く見られたいと無理をしていたんです。パーソナルカラーを学んで、今は正直にやりたいように、自然体でいられるようになった。私ってこういう人だったんだってことが分かって楽になりました」
そして今、自分の才能を引き出す為に、自分を追い込んでいることを楽しんでいると感じている。一日一日生きていることを実感し、今後は多くを語らなくても、影響力のある提案が出来るカラリストになりたいと椎名さん。

 

椎名 敬子 Keiko Shiina

カラースペースワム認定講師。
大学・専門学校・各種団体などでの講演やセミナーなどで活躍中。人それぞれに合った個性や特徴を引き立て、生まれながらに持っている魅力を引き出す。女性はもちろん政治家などにもコンサルティングを行う。
shiinakeiko@hotmail.co.jp

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シンヴィング編集部

1994年創刊の地域情報紙シンヴィング。 もっと『守谷』『取手』『つくばみらい』を合言葉に茨城県南地域の情報をお届けします。

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