時空戦士 イバライガーRさん
1人1人が茨城を変えるヒーローになれる。
イバライガーRは、ご当地ヒーローとして茨城県各地で、環境問題や命の大切さなどを伝える活動を続けている。
手の届かないヒーローではなく、もっと身近な目の前にいるヒーローとして登場したイバライガーR。
茨城を盛り上げ、そして日本、世界の子供達に、明るい豊かな未来を届けたいと、その志は茨城を越えて広がっている。
人の心と環境が破壊された20XX年の未来から現代にやってきたヒーロー、時空戦士イバライガーR。イバライガーRが誕生した未来は、不況や環境破壊に悩まされている。そんな荒廃した未来を変えるために、2009年にタイムスリップしたイバライガーRは、人の欲望や怒り、嫉み、憎しみなど邪悪な心が生み出す悪の軍団ジャークから茨城を守るため、正義を伝える活動を続けている。
【イバライガーを支える仲間】
イバライガーRの活動を支えるのはサポート集団「イバラキ・ヒーロー・プロジェクト(IHP)」のみなさん。IHPの黒田昌樹さんは、元幼稚園の先生。5歳頃に「超獣戦隊ライブマンになりたい」と夢を抱いていたそうだ。スタントマンとして活動していた経験もあり、子供の頃に思い描いていた「ヒーローになる夢」を追いかけてみたい、そんな思いから活動に参加した。
またIHPの正樹渉太郎さんは言う。「昔、子供の周りには、近所のおばさんおじさんがいて、他人でも家族のように喜んだり怒ったりしてくれましたよね。長屋でご近所同士、助け合って暮らすような感じとでも言うのでしょうか。子供は怒られながらも、大人の言うことを受け止めていました。ところが、今は大人の言うことが、子供に伝わりにくくなったことを危惧した原作者の思いを背景にイバライガーは生まれたんです。」
昔に比べて、地域のつながりが希薄になっている現代。今の大人達が、子供の心に響くメッセージを伝えるにはどうしたらいいのだろうか。
【現代にはヒーローが必要だ】
2009年12月つくば市の筑波小学校にイバライガーRとイモライガーが現れた。イバライガーRにあこがれている「なりきりヒーロー」のイモライガーは、ちょっと太めで気が弱いところもあるが、優しい心の持ち主。イバライガーRが登場すると、子供達は歓声をあげ名前を呼んだ。今回のテーマは「あいさつ」。イバライガーRが悪の軍団ジャークと戦い、本当は悪の軍団から抜けたいと思っている戦闘員を救い出した。
「自分の気持ちを伝えるのは勇気がいるものです。本当はやりたくないのに、友達に馬鹿にされるからとか、いじめられるから、仕方なくみんなに合わせて良くないことをしている。そんな人もいますよね。そんな時は勇気を持って、自分の意見を言いましょう。弱い自分に打ち勝つ勇気を持って欲しい」とイバライガーR。
あいさつは大切な言葉。
「おはよう」
「こんにちは」
「こんばんは」
そして「ありがとう」
自分の意見が言えるようになる第一歩として、大きな声であいさつをしてみて欲しいとイバライガーRは語る。イバライガーR、イモライガーの言う事を真剣に聞いている子供達。様々なショーを通して、子供達も人との関わりの大切さや、環境問題に関心を持つようになったという。
【ヒーローからのメッセージ】
現代の日本は、環境破壊が叫ばれ、少子化と高齢化の問題、教育や福祉、社会モラルの低下に、今では不況も深刻になっている。そんな時代だからこそ、これからを担う子供達に、夢や希望を与えたい。「イバライガーRがメッセージを伝えることで、子供達の心に素直に入っていくんです。例えば、ヒーローがペットボトルは分別しようと呼びかけるのと、親から同じ事を言われるのでは、受け止め方が違いますよね。なんとなく、ヒーローが言うんだから言うことを聞いておこうという気持ちになる。そこがねらいです(笑)」。
環境問題や、命の大切さ、大人が伝えたいことは、子供にはなかなか伝わらない。それは、子供が興味を持たないからではないだろうか。興味を持たせるために「ヒーロー」という存在が大切なのだと言う。
イバライガーRは、決してテレビの向こうにいる手が届かないヒーローではない。子供達の目の前にいる等身大のヒーローだ。ヒーローという存在は、子供だけではなく、大人にとっても何か大切なことに気づく、いいきっかけになるのだと思う。
【武器は持たずに闘うヒーロー】
イバライガーRは、心の問題や自然環境の問題などを「ショー」として分かりやすく伝えている。小学校や幼稚園でのイベント、地域のおまつりや県のイベントなどに参加している。
「自分だけ変わっても、何も変わらないからやっても無駄って思っている人は、結構いると思う。けれど誰しも、未来を信じる力、正しい部分を信じる力を持っています。自分が変われば、みんなも、そして未来も変わるかもしれない。そんな一人一人の心の中にあるものに気づいて欲しいんです」とイバライガーR。武器で解決しなくても、人の心は変わっていく、そんな思いが伝わってくる。
今後は、茨城の人なら誰でも知っているヒーローになり、茨城を全世界に広めていきたいとのこと。子供達へのメッセージを伺うと「これからの茨城を、日本を、世界を作るのは君たちだ。一人一人が、茨城を変えるヒーローなんだ。みんなで素敵な未来を共につくろう!」。
そのためには、
「力いっぱい大きな声であいさつをしよう」
「身体を動かして遊ぼう」
「何でも食べよう」
「ゴミの分別をしよう」
そして
「誰かがやるだろうじゃなくて、自分に出来ることをしっかりやろう」
イバライガーRに続くヒーローは、私達一人一人かもしれない。
時空戦士イバライガーR Ibaliger R
人の心と環境が破壊された未来から未来を守るために来た時空戦士。
地球環境保護や、命の大切さ、人と人とのつながりの大切さなどを、子供たちにも解りやすくショーとして伝える活動の他、近隣公園ゴミ拾いパトロール、環境を守るための啓発活動、養護施設に積極的に訪問など、もっと茨城を盛り上げ、豊かな心と世界を未来の子供たちに残したいと願い幅広く活動している。
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