vol.14:Hanp Bag Trocco 宮野 陽介・宮野 未来
お出かけするときはどんなバッグを使っていますか?普段のお出かけも、素敵なバッグ一つで気分が上がりますよね。
今回は、つくばみらい市で柔らかな曲線が特徴の帆布バッグを制作販売している Hanp Bag Trocco 宮野 陽介さん・宮野 未来さんご夫妻にお話を伺いました。
Hanp Bag Troccoの歩み
屋号の「Trocco」という響きが可愛いですね。由来を教えてください。
陽介さん)
「Trocco」とは、物を運搬するトロッコのことです。
可愛い気があるけど芯が強い、しっかりもののイメージ。みんなに愛されるお店になりたいという思いを込めてつけました。
未来さん)(以下、敬称略)
トロッコは、鉱山から鉱物を運び出しますよね。暗い作業場から明るい光に向かって走り出していく、そんな前向きなイメージを込めています。
ずっとバッグ制作をして来られたのですか?
陽介)最初は自分の好きな服を作りたくてファッションを志しました。デザイナーが描く洋服のイラスト画から型紙を作るパタンナーとして、15年勤めました。
2010年から、パタンナー職と並行して休日にバッグ作りを始めました。
2018年にはHanp Bag Troccoとして本格的に開業。
未来)デザインや縫製は全て主人が行っています。私は事務的なこと、裁断や発送作業などを担当しています。
帆布のバッグを作ろうと思ったきっかけは?
陽介)帆布のバッグが大好きなんです。
パタンナーとして働く中、自分が得意な平面のデザインを立体で表現する能力を活かして新しいことに挑戦したい気持ちがだんだん生まれてきました。それが、デザインや裁断、縫製など全ての工程を自分でこなす帆布バッグ作りをしたい、という思いに繋がったんです。
帆布バッグを制作販売されている大御所がいらっしゃるのですが、バッグを一目見れば、そのブランドだとわかるんです。バッグ、人柄、生き方、全てが魅力的で、その方のことをとても尊敬しています。
強い憧れの気持ちがありますが、自分は自分らしいデザインのバッグを作っていきたいと思っています。
どのバッグも個性的です。どうやってデザインしているのですか?
陽介)例えば、球体のバッグが作りたいな、とイメージして、スケッチブックにイラストを描いて。まずはデザインがあり、後から合理的にバッグの形に落とし込んでいきます。
実際に形になるまでに、試行錯誤を何回も繰り返します。
未来)できるだけ創作を邪魔しないようにしていますが、ひとりよがりにならないようにバランスを取る意見を伝えています。
陽介)自分には洋服のデザイン、仕様が基礎にあります。婦人服を多く扱ってきたので、優しいエッセンスの個性的なバッグが生み出せるのだと思います。
バッグが可愛らしいので、男性の私が作っているのを知りびっくりされる方も多いんですよ。
帆布ですが、上品な風合いですね。
陽介)Hanp Bag Troccoでは、滋賀県の琵琶湖北西部が産地の高島帆布を主に使っています。ハードなイメージの帆布でありながら、丸みのある優しいフォルムがポイントです。
タテ糸とヨコ糸で異なる糸色を使用して織り上げたシャンブレー生地を使ったバッグは、特に高級感の感じられる仕上がりになっています。
デザイン性が豊かで、機能性も高いと感じます。
陽介)機能とデザインの調和を大切にしています。
元々の構造で生地の重なりを利用してポケットを作るなど、構造を活かして機能を加えるようにしています。
未来)使いやすさも重視しています。リュックなら背負ったままポケットに手を入れてみたり、二人で使いやすさを検証しながら作っています。
Hanp Bag Troccoで心がけていることは?
陽介)気をつけているのは、決して自己満足にならないこと。お客さまのご意見やご希望を自分のバッグに組み込むよう心がけています。
未来)発送作業では、箱の中にバッグ以外にお礼のメッセージやTroccoの思いが伝わるこだわりのポストカードを添えることで、お客さまが箱を開けた時に「ときめき」を感じてもらえるよう心を配っています。
これまで苦労されたことは?
陽介)自社サイトでの販売開始当初は、なかなか注文が入りませんでした。ノウハウもなく、結果の出ない時期が数年続きました。
ある時、クラフト系オンラインサイトCreemaから声をかけていただき、出店するようになりました。他にもデパートの催事やマルシェイベント出店など、色々なご縁で少しずつ販路を広げてきました。
活動が軌道に乗ってきたところで、コロナが流行。たくさんのイベントが中止になり、辛かったですね。
未来)初めてマルシェイベントに参加した頃、両サイドの店舗は賑わっているのに、自分の店舗は閑散として…といった悔しい体験もありました。
その時、バッグの展示方法、見せ方がいかに大切か学びました。よりTroccoのバッグの魅力を引き出せるように、バッグを並べる木製の什器を特注しました。
普段のお出かけを「特別なお出かけ」に変えるTroccoのバッグ
Hanp Bag Troccoのバッグはどこで入手できますか?
みなさんにいつでもバッグを手にとっていただけるように、2022年1月に工房を一部改造し、ショップをオープンしました。
クラフト系マルシェにも継続的に出店しています。
水戸市で毎年春秋開催の「あおぞらクラフトいち」は毎回出店。東京ビッグサイトのHandMade In Japan Fesにも出店しました。
近場では、昨年12月の「もりやdeマルシェ」、今年2月の「つくば蚤の市」にも出店しました。
自社サイトやCreema、minneといったオンラインサイトでも販売しています。
手応えはどうですか?
オンラインサイトでは、商品へコメントをいただくことがバッグ作りのやりがいに繋がります。最近は台湾など海外からのご注文も増えているんですよ。
イベントや店舗でお客さまの反応や感想を直接見聞きできるのは、何より嬉しいですね。
購入いただいたお客さまが、別のイベントに遊びに来てくださったり、嬉しい限りです。
クラウドファウンディングにも挑戦されたそうですね。
革細工作家「革のある暮らし®︎」さんとコラボレーションし、「ベリー」というリュックに革を部分使いした少し贅沢な「ベリーplus」を作成するクラウドファウンディングに挑戦しました。結果は目標の40倍を超える800万円以上の応援購入をいただき大成功!
「ベリーplus」は、日本の優れたおもてなし心あふれる商品やサービスを世界に広めることを目的とした“おもてなしセレクション”というアワードも受賞したんですよ。
ベリー、ショコラ、モンブラン…バッグの名前が面白いですね。
バッグが先に完成して、名前は後からつけています。二人で話し合い、スイーツや動物の名前など、想像して楽しくなるように名付けしています。
今後の展望は。
今までは受注生産で生産数が限られていました。今後は工房の設備を整えて、よりたくさんのお客さまの元にTroccoのバッグを届けたいと思っています。
宮野さんご夫妻にとって、バッグとは。
私たちの作るバッグは、よそ行きではなく普段使いのもの。
バッグは、自分の気持ちを高められる特別な存在だと思っています。みなさんの普段のお出かけを、Troccoのバッグで気分が上がったり、ワクワクするような「特別なお出かけ」に変えるお手伝いができたらな、と思っています。
最後に、地域のみなさんへの思いをお願いします。
つくばみらい市に、こんな面白いバッグ屋さんがあるんだな、と地域のみなさんに知ってもらいたいです。是非、Troccoのバッグを体感しにきてください。
私たちの活動で、茨城県南を盛り上げるお手伝いができたらなと思っています。
今後新たなクラウドファウンディングに挑戦するという宮野さんご夫妻。どんなデザインのバッグが登場するのか、注目です。
曲線が可愛らしいTroccoのバッグたち。Troccoのバッグには、持つと自然と笑顔になる魅力があります。ぜひ一度、手にとってみては如何でしょうか。
Hanp Bag Trocco
所在地 : 〒300-2345 茨城県つくばみらい市長渡呂1-77
TEL & FAX : 0297-57-0018
営業時間 : 11:00 ~ 18:00
定休日 :不定休(ショップは通常業務と並行しての営業になります。イベント前などは在庫がほとんど無い場合もあるので、ご来店の際は必ずお電話かメールで予約をお願いします。)
Email : hello@trocco-bag.com
HP : https://www.trocco-bag.net/
Instagram : https://www.instagram.com/trocco_bag/
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